田んぼとトラクター

農業法人が使える補助金・融資9選

人を雇う、機械を入れる、施設を建てる。目的別に9制度を整理しました。

📅 最終更新日:2026年9月24日 / 内容は農林水産省・全国農業会議所・日本政策金融公庫の公式サイトで確認しています。
※ 各制度に「次の募集時期の目安」を記載しています。今年度の募集が終わっている制度も、次の募集に向けた準備のために掲載しています。

農業法人になると、使える制度が一気に増えます。 個人では対象外だった「人を雇うための助成金」や、 数千万円規模の施設整備の交付金が視野に入ってきます。

ただし、個人向けの制度とは考え方がまったく違います。 個人向けが「若い人を応援する」制度だったのに対し、法人向けは 「地域の計画に位置づけられた担い手を支援する」という建て付けになっています。 ここを理解しないと、条件を読んでも意味が分かりません。

この記事では、農業法人・農事組合法人・規模の大きい認定農業者が使える9つの制度を、 「人を雇う」「機械・施設を入れる」「お金を借りる」の3つに分けて整理しました。

⚠️ 最初に必ずお読みください

補助金は「申請すれば必ずもらえる」ものではありません。 予算に上限があり、審査で落ちることがあります。

また、金額・条件・締切は年度ごとに変わり、年度の途中で変わることもあります。 この記事は2026年9月21日時点で公開されていた情報をまとめたものです(スマート農業の募集状況のみ9月24日に再確認)。 とくに法人向けの交付金は事業区分によって補助率・上限額が細かく分かれているため、 申請の前に必ず公式の実施要綱と窓口でご確認ください。

📅 いま(9月下旬)は「制度の谷間」です

農業法人向けの国の交付金は、ほとんどが4〜6月に申請の受付をしています。 9月の時点で「今すぐ申請できる」のは、9制度のうち2つだけです。

ただ、これは悪い知らせではありません。 法人向けの制度は「市町村や協議会が作る計画に載せてもらう」ことが前提なので、 申請の半年前から動いていないと間に合わないのが実際のところです。 つまり秋は、来年春の申請に向けて相談を始める時期にあたります。

この記事では、各制度に「次の募集時期の目安」を入れました。 次の章の募集カレンダーから、今やるべきことを確認してください。

📋 目次

  1. 法人向け制度の3つの特徴
  2. 募集カレンダー ── 今やるべきこと
  3. 9制度の早見表
  4. 「やりたいこと」から探す
  5. 【人を雇う・育てる】① 〜 ③
  6. 【機械・施設を入れる】④ 〜 ⑧
  7. 【お金を借りる】⑨
  8. つまずきやすい3つの落とし穴
  9. どこに相談すればいいのか
  10. 📝 まとめ

法人向け制度の3つの特徴

(1)「計画に位置づけられること」が入口になる

法人向けの制度で最初に出てくるのが、「〇〇計画に位置づけられていること」という条件です。 制度ごとに出てくる計画が違うので、対応表にしておきます。

必要な計画作る人関係する制度
地域計画市町村(地域の話し合いで決める)④ 農地利用効率化等支援交付金
産地パワーアップ計画市町村の地域農業再生協議会⑥ 産地生産基盤パワーアップ事業
畜産クラスター計画地域の畜産クラスター協議会⑧ 畜産クラスター事業
生産方式革新実施計画事業者が作り、認定を受ける⑦ スマート農業加速化(上限5,000万円の枠)
農業経営改善計画事業者が作り、市町村の認定を受ける⑨ スーパーL資金(認定農業者であること)

※ 表は横にスクロールできます。

ここで大事なのは、多くが「自分だけでは作れない計画」だということです。 市町村や協議会が作るものなので、思い立ってすぐ申請、ができません。 補助金を使いたい年の前年度から市町村に相談しておく必要があります。

(2) 「人材系」と「設備系」で窓口がまったく違う

人を雇う系(①〜③)の窓口は都道府県農業会議です。 一方、機械・施設系(④〜⑧)は市町村を通じて都道府県へという流れになります。

同じ「農業の補助金」でも役所のルートが違うので、両方を使いたい場合は別々に動くことになります。

(3) 農業法人は「中小企業向け」の補助金も使える場合がある

見落とされがちですが、農業法人は中小企業にもあたります。 そのため、経済産業省・厚生労働省が出している制度の対象になる場合があります。

たとえば人を雇う場面では、農水省の雇用就農資金だけでなく、 厚生労働省のキャリアアップ助成金(パートを正社員にすると1人40万円)も候補になります。 業種要件や事業内容によるので、窓口で確認する価値があります。

→ 中小企業向けの制度は 「中小企業が使える補助金・助成金8選」 にまとめています。こちらは秋から冬が申請シーズンで、今まさに募集中のものが多くあります。

募集カレンダー ── 今やるべきこと

9つの制度を「次にいつ申請できるか」で並べ替えたものです。 2026年9月21日時点で確認した内容です。

✅ 今すぐ申請できるもの(2制度)

制度受付期間内容
③ 雇用就農資金
(次世代経営者育成)
随時募集
令和8年度は2027年1月29日まで
社員を先進農家へ研修派遣する費用の助成
⑨ スーパーL資金 随時 認定農業者向けの長期・低金利の融資

⏳ 次の募集を待つもの(7制度)

制度今年度の状況次の募集の目安今やること
⑧ 畜産クラスター事業 これから 2027年1月〜3月ごろ
(施設整備は1月/機械は2〜3月)
畜産クラスター協議会へ相談
① 雇用就農資金
(育成・独立支援)
第1回は2026年4月7日で終了 年度ごとに複数回
(都道府県農業会議へ要問合せ)
採用計画を固める
② 雇用就農資金
(新法人設立支援)
第1回は2026年4月7日で終了 同上 独立させる人材を決める
④ 農地利用効率化等
支援交付金
春の募集は終了 2027年春ごろ 地域計画への位置づけを市町村へ相談
⑤ 強い農業づくり
総合支援交付金
令和8年度2回目公募は
2026年4月28日で終了
2027年春ごろ JA・産地の関係者と構想を詰める
⑥ 産地生産基盤
パワーアップ事業
年度初めの要望調査が中心 年度ごと(要望調査は年数回) 地域農業再生協議会へ相談
⑦ スマート農業
加速化総合対策
今年度の公募は
すべて終了
(直近は2026年9月24日締切)
次回は未公表
(複数次の公募あり・要確認)
生産方式革新実施計画の認定を検討

※ 表は横にスクロールできます。次の募集時期はあくまで例年の傾向であり、予算の状況により変わります。

🌱 「今やること」の欄がいちばん大事です

法人向けの交付金は、申請書を書き始める前の段階で勝負がついています。 市町村の地域計画や、協議会の産地パワーアップ計画・畜産クラスター計画に 自分の経営体が載っているかどうかが入口だからです。

この計画づくりは秋から冬にかけて動きます。 「春に募集が出てから考える」では間に合いません。 使いたい制度が1つでもあるなら、今のうちに窓口へ相談しておいてください。

9制度の早見表

まずは全体像です。細かい条件は次の章から1つずつ説明します。

制度名 何に使えるか 金額の目安 補助率
① 雇用就農資金
(育成・独立支援)
新規就農者を正社員で雇い育てる 1人 年最大60万円
(最長4年)
定額
② 雇用就農資金
(新法人設立支援)
社員を独立させ新法人を作らせる 1人 年最大120万円 定額
③ 雇用就農資金
(次世代経営者育成)
経営者候補を外部研修へ派遣 月額助成
(要確認)
定額
④ 農地利用効率化等
支援交付金
規模拡大のための機械導入 上限300万円
(大規模は600万円)
3/10以内
⑤ 強い農業づくり
総合支援交付金
産地の共同施設を整備 整備事業 最大20億円 1/2以内 など
⑥ 産地生産基盤
パワーアップ事業
産地の収益力を上げる機械・施設 事業区分による 1/2以内 など
⑦ スマート農業
加速化総合対策
ドローン・自動運転農機など 1,500万〜5,000万円 1/2以内
⑧ 畜産クラスター事業 畜舎の整備・畜産機械の導入 事業区分による 1/2以内 程度
⑨ スーパーL資金 農地取得など大きな投資(融資) 法人10億円
個人3億円
低金利の融資

※ 表は横にスクロールできます。金額は2026年9月時点のものです。

「やりたいこと」から探す

人を雇う・育てる
→ ① 育成・独立支援 / ② 新法人設立支援 / ③ 次世代経営者育成
後継者を育てる
→ ③ 次世代経営者育成タイプ / ② 新法人設立支援タイプ
機械を買う
→ ④ 農地利用効率化等支援交付金 / ⑥ 産地パワーアップ / ⑨ スーパーL資金
施設を建てる
→ ⑤ 強い農業づくり交付金 / ⑥ 産地パワーアップ / ⑧ 畜産クラスター事業
省力化・自動化
→ ⑦ スマート農業加速化総合対策
畜産
→ ⑧ 畜産クラスター事業
お金を借りる(融資)
→ ⑨ スーパーL資金

【人を雇う・育てる】雇用就農資金の3タイプ

農業の人手不足に対して、国がいちばん力を入れているのが「雇用就農資金」です。 1つの制度に3つのタイプがあり、育てたい人材によって使うタイプが変わります。

共通しているのは、対象が「雇う側の法人」だということです。 雇われる本人がもらう制度ではありません。ここを間違えやすいので注意してください。

① 雇用就農者育成・独立支援タイプ

新しく農業を始める人を正社員として雇い、育てる法人に、1人あたり年最大60万円を助成します。

人を雇う・育てる

雇用就農資金(雇用就農者育成・独立支援タイプ)
助成額
1人あたり 年間最大60万円(月5万円)/最長4年
※3人目以降は年間最大20万円
※障がい者等の雇用は年15万円を加算
こんな法人におすすめ
未経験の若手を正社員で採用して、一から育てたい農業法人
主な条件
・農業法人等が、50歳未満の就農希望者を新たに正社員として雇用すること
・週35時間(月140時間)以上の勤務であること
・年間を通じて研修を実施すること
・1経営体あたり年5人まで(3人目以降は減額)
お金の使い道
雇った人を育てるための研修費用の一部(法人への助成)
申請の窓口
都道府県農業会議
募集の時期
⏳ 令和8年度の第1回は2026年4月7日で終了しました
次の募集:年度ごとに複数回(時期は都道府県農業会議へ要問合せ)
今やること:採用計画を固めておく
出典:農林水産省「雇用就農資金」
https://www.maff.go.jp/j/keiei/nougyou_jinzaiikusei_kakuho/shikin.html
⚠️ この制度を使うと、個人向けの「経営発展支援事業」が使えなくなります

新規就農者向けの経営発展支援事業(国費上限500万円)は、 「雇用就農資金を現在も過去も受けていないこと」が条件になっています。

雇った本人が将来独立するつもりなら、どちらを使うかを先に考えておく必要があります。 → 経営発展支援事業について詳しくはこちら

② 新法人設立支援タイプ

社員を独立させて新しい農業法人を作らせる場合、その人材を育てる費用として年最大120万円を助成します。

人を雇う・育てる後継者を育てる

雇用就農資金(新法人設立支援タイプ)
助成額
1人あたり 年間最大120万円(月10万円)
※3〜4年目は年間最大60万円
こんな法人におすすめ
社員を独立させて、新しい農業法人を作らせたい経営者
主な条件
・農業法人等が、新法人設立を目指す人材を雇用し研修すること
・①と同様の勤務・研修の要件を満たすこと
お金の使い道
新法人を設立する人材の研修費用の一部
申請の窓口
都道府県農業会議
募集の時期
⏳ 令和8年度の第1回は2026年4月7日で終了しました
次の募集:年度ごとに複数回(時期は都道府県農業会議へ要問合せ)
今やること:独立させる人材を決めておく
出典:農林水産省「雇用就農資金」
https://www.maff.go.jp/j/keiei/nougyou_jinzaiikusei_kakuho/shikin.html
※助成額・期間は募集要領で必ずご確認ください

①の倍の金額になっているのは、「担い手を1人増やす」ことへの評価だと考えると分かりやすいです。 自社の戦力を育てるだけでなく、地域の農業経営体そのものを増やす取り組みだからです。

③ 次世代経営者育成タイプ

将来の経営者候補の社員を、国内外の先進的な農業法人へ研修に出す費用を助成します。

人を雇う・育てる後継者を育てる

3つの中でいちばん知られていないのがこのタイプです。 新しく雇う人ではなく、すでに雇っている社員を対象にできるのが大きな違いです。

雇用就農資金(次世代経営者育成タイプ)
助成額
月額の助成(派遣先・期間により異なります)
※金額は募集要領でご確認ください
こんな法人におすすめ
将来の後継者・幹部候補の社員を、外部の先進農家へ研修に出したい農業法人
主な条件
・農業法人等が雇用する従業員を、国内外の先進的な農業法人等へ派遣して研修させること
・詳細な要件は募集要領でご確認ください
お金の使い道
派遣研修にかかる費用の一部
申請の窓口
都道府県農業会議/全国農業会議所
募集の時期
✅ 今すぐ申請できます
随時募集(令和8年度は2027年1月29日まで)
出典:農林水産省「雇用就農資金」
https://www.maff.go.jp/j/keiei/nougyou_jinzaiikusei_kakuho/shikin.html
※助成額・要件は募集要領で必ずご確認ください
🌱 ここがポイント

①②が年に数回の募集なのに対して、③は随時募集です。 令和8年度は2027年1月29日まで受け付けています。

「今年の募集はもう終わってしまった」という場合でも、 ③なら今から動ける可能性があります。

【機械・施設を入れる】設備投資の5制度

ここからは金額が一気に大きくなります。 ただし前述のとおり、ほとんどが「計画に位置づけられていること」を条件にしています。 市町村や協議会との事前の相談が欠かせません。

④ 農地利用効率化等支援交付金

地域計画の担い手が機械・施設を買うとき、費用の3割以内・上限300万円を補助します。借入れが前提です。

機械を買う

農地利用効率化等支援交付金
補助の上限額
上限300万円
※目標年度の経営面積が一定以上なら上限600万円
(水田作等20ha・露地作5ha・果樹作3ha・施設園芸1ha以上)
補助率
3/10以内
こんな法人におすすめ
地域計画の担い手になっていて、規模拡大のため機械を買い増したい農業者・法人
主な条件
・地域計画に位置づけられた中心経営体等であること
・成果目標(規模拡大・生産コスト低減など)を設定し、達成すること
・融資を受けることが前提です
お金の使い道
農業用機械・施設の導入費
申請の窓口
市町村を通じて都道府県へ
募集の時期
⏳ 今年度の春の募集は終了しています
次の募集:2027年春ごろ(年1回程度)
今やること:地域計画への位置づけを市町村へ相談
出典:農林水産省「農地利用効率化等支援事業」
https://www.maff.go.jp/j/keiei/sien/260226.html

「融資を受けることが前提」という点に注意してください。 自己資金だけで買う場合は対象になりません。 ⑨のスーパーL資金などとセットで使う制度だと考えてください。

⑤ 強い農業づくり総合支援交付金

産地全体で使う集出荷施設・加工施設などを整備するための交付金。JAや法人など「産地単位」で申請します。

施設を建てる

強い農業づくり総合支援交付金
補助の上限額
整備事業 最大20億円/推進事業 最大5,000万円
※タイプ・事業規模によって大きく異なります
補助率
1/2以内(対象作物・施設の種別により 6/10以内・4/10以内・1/3以内 などの場合あり)
こんな法人におすすめ
JAや近隣の農家と組んで、共同の集出荷場・加工場・冷蔵庫を整備したい
主な条件
・JA・農業法人・農事組合法人など地域単位の組織であること
・産地の課題解決に向けた計画に位置づけられること
・成果目標を設定すること
お金の使い道
集出荷・調製・貯蔵・加工施設、卸売市場施設 などの整備費
申請の窓口
市町村・都道府県を通じて
募集の時期
⏳ 令和8年度の2回目公募は2026年4月28日で終了しました
次の募集:2027年春ごろ(年度ごとに複数回の公募)
今やること:JA・産地の関係者と構想を詰める
出典:農林水産省「強い農業づくり総合支援交付金」
https://www.maff.go.jp/j/seisan/suisin/tuyoi_nougyou/
※補助率・上限額はタイプごとに異なります。実施要綱で必ずご確認ください

上限20億円という数字に驚くかもしれませんが、これは大規模な共同施設を想定した金額です。 1つの法人が単独で申請する制度ではありません。 「産地としてまとまって申請する」のが前提になります。

⑥ 産地生産基盤パワーアップ事業

産地の収益力を上げるため、トラクター・ハウス・集出荷施設などの導入を支援します。

機械を買う施設を建てる

産地生産基盤パワーアップ事業
補助の上限額
事業区分によります
補助率
1/2以内 など(事業区分による)
こんな法人におすすめ
産地ぐるみで収益を上げるため、高性能な機械や大型ハウスを入れたい
主な条件
・市町村の地域農業再生協議会が作る「産地パワーアップ計画」に取組主体として位置づけられること
・成果目標(販売額の増加・コストの低減など)を設定し、達成すること
お金の使い道
高性能な農業機械・施設の導入、栽培体系の転換、集出荷施設の整備 など
申請の窓口
市町村の地域農業再生協議会を通じて都道府県へ
募集の時期
⏳ 要望調査は年度初めが中心です
次の募集:年度ごと(要望調査は年数回。都道府県へ要確認)
今やること:地域農業再生協議会へ相談
出典:農林水産省「産地生産基盤パワーアップ事業関係情報」
https://www.maff.go.jp/j/seisan/suisin/tuyoi_nougyou/sanchipu.html
※補助率・上限額は事業区分ごとに異なります。都道府県の窓口でご確認ください

④が「個々の経営体の規模拡大」を支えるのに対し、 ⑥は「産地としての収益力」を上げるための制度です。 同じ機械を買う話でも、どの計画に載せるかで使う制度が変わります。

⑦ スマート農業・農業支援サービス事業加速化総合対策事業

ドローン・自動運転農機・センサーなどの導入費の半分(上限1,500万〜5,000万円)を補助します。

省力化・自動化

スマート農業・農業支援サービス事業加速化総合対策事業
補助の上限額
上限1,500万円
※スマート農業機械を導入する場合は3,000万円
※スマート農業技術活用促進法に基づく生産方式革新実施計画の認定を受け、 促進事業者に位置づけられる場合は5,000万円
補助率
1/2以内
こんな法人におすすめ
ドローン・自動運転農機・センサーで人手不足を解消したい農業者・法人
主な条件
・スマート農業技術の導入計画を作ること
・成果目標を設定すること
・上限5,000万円の枠を使うには、生産方式革新実施計画の認定が必要です
お金の使い道
スマート農業機械・システムの導入費、実証にかかる経費 など
申請の窓口
農林水産省の公募(都道府県経由の要望調査もあります)
募集の時期
⏳ 2026年9月24日時点で確認できた公募は、すべて締め切られています
(2026年度当初予算の公募は7月14日、令和7年度補正予算の第5次公募は9月24日に締切)
次の募集:未公表(年度ごとに複数次の公募あり・要確認)
今やること:生産方式革新実施計画の認定を検討
出典:農林水産省「スマート農業・農業支援サービス事業加速化総合対策事業の公募について」
https://www.maff.go.jp/j/supply/hozyo/nousan/260529_140-2.html
農林水産省「同事業(令和7年度補正予算)の第5次公募について」
https://www.maff.go.jp/j/supply/hozyo/nousan/260805_140-2.html

上限が3段階に分かれているのが特徴です。 1,500万円 → 3,000万円 → 5,000万円と上がっていきますが、 いちばん上の枠を使うには計画の認定という手間がかかります。 導入規模が大きい場合は、早めに認定の準備を始める価値があります。

⑧ 畜産クラスター事業

畜舎・機械など畜産の施設整備に、およそ1/2を補助します。

畜産施設を建てる

畜産クラスター事業(畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業)
補助の上限額
事業区分・規模によります(数百万円〜数千万円規模)
補助率
1/2以内 程度(事業区分による)
こんな法人におすすめ
牛舎・豚舎の建て替えや、畜産用の機械導入を考えている畜産経営者
主な条件
・地域の畜産クラスター協議会が作る畜産クラスター計画に、中心的な経営体として位置づけられること
・収益性の向上などの成果目標を設定し、達成すること
お金の使い道
畜舎・堆肥舎などの施設整備、機械の導入、効果の実証にかかる調査・分析 など
申請の窓口
地域の畜産クラスター協議会・市町村を通じて都道府県へ
募集の時期
🔜 次の募集はこれからです
施設整備事業は例年1月頃/機械導入事業は例年2〜3月頃/実証支援事業は随時
今やること:畜産クラスター協議会へ相談
出典:農林水産省「畜産クラスター関連事業要綱・要領」
https://www.maff.go.jp/j/chikusan/kikaku/tikusan_sogo/l_cluster_27_kura.html
※補助率・上限額は事業区分ごとに異なります。実施要綱で必ずご確認ください

畜産の施設整備は金額が大きくなりがちなので、使えるかどうかで計画が変わる制度です。 募集が例年1月〜3月に集中するため、秋のうちに協議会へ相談しておくのが現実的な動き方になります。

【お金を借りる】長期・低金利の融資

⑨ 農業経営基盤強化資金(スーパーL資金)

認定農業者が農地や施設を買うときの、長期・低金利の融資。法人は最大10億円まで借りられます。

お金を借りる(融資)機械を買う

これは補助金ではなく融資です。返す必要があります。 それでも法人経営では欠かせない制度で、④の農地利用効率化等支援交付金とセットで使うのが典型的な形です。

農業経営基盤強化資金(スーパーL資金)
借りられる金額
法人 10億円/個人 3億円
※利子助成を受ける場合は 法人20億円・個人6億円
金利
低金利の融資です。目標地図に位置づけられた認定農業者が借りる場合、 当初5年間の金利負担軽減(最大2%)が適用されることがあります
こんな法人におすすめ
認定農業者で、農地の取得など大きな投資を低金利で行いたい法人・個人
主な条件
・農業経営改善計画の認定を受けた認定農業者であること
・市町村の特別融資制度推進会議で経営改善資金計画書の認定を受けること
お金の使い道
農地の取得、農業施設・機械の取得、負債の整理 など
申請の窓口
日本政策金融公庫の各支店(JA・金融機関経由も可)
募集の時期
✅ 今すぐ相談できます
随時(決まった募集期間はありません)
出典:農林水産省「農業経営基盤強化資金(スーパーL資金)」
https://www.maff.go.jp/j/g_biki/yusi/keiei/250326_7.html
※金利・条件は変動します。日本政策金融公庫でご確認ください

つまずきやすい3つの落とし穴

1
「募集が出てから考える」では間に合わない

法人向けの交付金は、市町村や協議会が作る計画に載っていることが入口です。 この計画づくりは秋から冬にかけて動きます。 春に公募が出てから動き始めても、その年はもう乗れません。 使いたい年の前年秋から相談を始めるのが基本の動き方です。

2
雇用就農資金を使うと、使えなくなる制度がある

新規就農者向けの経営発展支援事業(国費上限500万円)は、 「雇用就農資金を現在も過去も受けていないこと」が条件です。 雇った人が将来独立する前提なら、どちらを使うかを先に決めておく必要があります。

3
買ってから申請しても対象にならない

補助金全般に共通する、もっとも多い失敗です。 「交付決定」の通知を受け取る前に購入すると対象外になります。 また、補助金は後払いです。先に自分で払える資金(つなぎ資金)が必要になります。

どこに相談すればいいのか

制度は同じでも、運用や募集時期は自治体によって違います。 最後は必ず、地域の窓口で確認することになります。

人を雇う制度(①〜③)── 都道府県農業会議

雇用就農資金の窓口です。募集回の日程もここで確認できます。 ③の次世代経営者育成タイプは随時募集なので、今からでも相談できます。

機械・施設の制度(④〜⑧)── 市町村の農政担当課

地域計画・産地パワーアップ計画・畜産クラスター計画への位置づけは、すべて市町村が起点です。 どこに行けばいいか迷ったら、ここで間違いありません。 畜産の場合は、地域の畜産クラスター協議会にも早めに声をかけておいてください。

融資(⑨)── 日本政策金融公庫の支店

スーパーL資金の相談先です。④の農地利用効率化等支援交付金は融資を受けることが前提なので、 この2つは同時に進めることになります。

💡 書類作成で困ったときは

法人向けの交付金は、成果目標の設定や事業計画の作成が個人向けより複雑です。 行政書士・中小企業診断士など、補助金の申請書類を扱う専門家に相談する方法もあります。

なお、当ブログでは申請の代行や書類作成は行っておりません。 この記事は制度の情報をまとめたものです。手続きについては、上記の公的窓口か専門家へご相談ください。

📝 まとめ

法人向けの制度は、個人向けに比べて金額が大きい反面、手続きに時間がかかります。 「補助金があるから買う」ではなく、数年先の経営計画を立てたうえで、そこに制度を当てはめる ── という順番でないと、そもそも計画に載せてもらえません。

まずは、使いたい制度を1つ決めて、市町村の窓口に相談してみるところからだと思います。

【免責事項・出典について】
本記事は2026年9月21日時点で各公式サイトに公開されていた情報をまとめたものです。 補助金・交付金の金額、補助率、要件、募集時期は年度ごとに変更され、年度の途中で変更されることもあります。 とくに法人向けの交付金は事業区分によって補助率・上限額が細かく分かれており、 本記事に記載した金額は代表的な区分のものです。 記載している「次の募集時期の目安」は例年の傾向であり、予算の状況により変わります。 また、補助金は予算に上限があり、申請しても審査により採択されない場合があります。 申請にあたっては、必ず各制度の公式サイトの実施要綱・公募要領および窓口 (市町村・都道府県農業会議・地域の協議会・日本政策金融公庫など)で最新の内容をご確認ください。 本記事の情報にもとづく判断・行動について、当ブログは責任を負いかねます。

出典:
・農林水産省「雇用就農資金」 https://www.maff.go.jp/j/keiei/nougyou_jinzaiikusei_kakuho/shikin.html
・農林水産省「農地利用効率化等支援事業」 https://www.maff.go.jp/j/keiei/sien/260226.html
・農林水産省「強い農業づくり総合支援交付金」 https://www.maff.go.jp/j/seisan/suisin/tuyoi_nougyou/
・農林水産省「産地生産基盤パワーアップ事業関係情報」 https://www.maff.go.jp/j/seisan/suisin/tuyoi_nougyou/sanchipu.html
・農林水産省「スマート農業・農業支援サービス事業加速化総合対策事業の公募について」 https://www.maff.go.jp/j/supply/hozyo/nousan/260529_140-2.html
・農林水産省「畜産クラスター関連事業要綱・要領」 https://www.maff.go.jp/j/chikusan/kikaku/tikusan_sogo/l_cluster_27_kura.html
・農林水産省「農業経営基盤強化資金(スーパーL資金)」 https://www.maff.go.jp/j/g_biki/yusi/keiei/250326_7.html